2009年 09月 26日

Bozak   ボザーク  Bozak

初めて東海岸の音を聞いたのはおそらく中学生の時で、それはマッキントッシュのスピーカーだった。
マッキントッシュのスピーカーと言っても有名なXRT-20などではなく、その前にあった立派な立派な家具調のスピーカー。
やたらと値段が高かったのも覚えている。
マッキントッシュのスピーカーはボザークの技術者が作っていると聞いていたので、あの体験が初めての東海岸体験だっただろう。

音は、
これはもう、すさまじくよろしくなかった。
モゴモゴ言うばかりで、何を言っているのかさっぱり判らない。
「これは酷い! いくらゴージャスで美しくって立派な外観をしていたって、こんな音のスピーカーを買う人はいるのだろうか?」
と、思った。    当時は。


それを聞いたのは、大阪のヤマギワで、当時はそのオーディオ部としてヤマピットなる店が構えられていた。
ヤマギワはそのころ河口無線と共にマッキントッシュの代理店をしており、もちろんアンプを輸入していたわけだが、
マッキントッシュ社は、アンプとスピーカーを抱き合わせで輸入することを求めており、
担当者は、アンプは売れるがスピーカーは売れずに余ってしまって困ると嘆いていた。

今、思い出してみれば、あのスピーカーの巨大なドーム型ユニットは特に興味深く、もう一度聞いてみたい気はする。

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その後、本当のボザークを何度か聞いたが、これといった印象はなかった。
あの時の、マッキントッシュスピーカーの印象があまりに強く、
何度聞いても、ああ、あの時のマッキンよりはましだなぁという程度の感想しか持てなかった。


その印象が、数年前に大きく変わった。




ある日、いつものようにいつものH堂へ遊びに行くと、ボザークのB-410ムーリッシュがあった。
その当時のボザークの最大にして最高級のスピーカー。

410ムーリッシュはそれまでも何度か聞いたことがあった。
先にも書いたとおり、いずれの時もたいした感想は持てず、ただ漠然とがっかりするばかりだった。

その時H堂にあったムーリッシュも、特にその個体が優れているとかダメだったというのではなく、
いつものムーリッシュだった。


H堂に遊びに行って、自分以外のお客がいない時によくやってもらっていたのだが、
過去の名機と言われるスピーカーを、相性などは考えずにひたすら強力なアンプで駆動してやると、
思いのほか凄い音が出ることがある。
エベレストが入荷していた時、それをアルテックの1570で鳴らしてみた時は驚いた。
あのおとなしいエベレストが、なんだかねじ切れるような音を出して、びっくりした。
凄いなー!!  と思った。   何が凄いのかはよくわからんが。。。


その時、ムーリッシュを何のアンプで鳴らしたのかは忘れた。
でも私のことだから、ひどいアンプで鳴らすように頼んだのには違いない。
それに、
こういうスピーカーは爆音で鳴らすべきなんだ。
奥さん想いのアメリカ人が、こんなにでかい邪魔になるスピーカーを買うんだ。
その置かれるべき部屋は、日本人には想像もつかない広さを持ってるに違いない。
そんな部屋でそっと鳴らされていたとしても、そのままの音量を日本で聞けば爆音になる。
部屋のエアボリュームの恐ろしさはイヤと言うほど身についている。



ムーリッシュを出来る限りの爆音で鳴らした。




驚いた。

素晴らしい低音だった!
ボリュームがあって、しかも明快!




正直に告白すれば、その低音を聞いて負けたと思った。
低音への拘りは、人には負けないつもりで、それなりの努力もしてきたつもりだった。
現在は、自分でもほとんど満足できる低音が得られていると感じていた。

だが、

その自分の低音が、大型であるとはいえ、メーカーの既成のスピーカーに負けたと感じてしまったんだ。




結構ショックだった。


いままでそんな経験をしたことはなかった。
私とて、JBLだけではなく、相当いろいろなスピーカーを聞いてきた。
各メーカーのフラッグシップはほとんど聞いてきたはずだった。
それに満足できなかったから、自分で組み上げたんじゃなかったか?


いろんな条件があるとはいえ、


だから、
ショックだった。




一度は手に入れなければいけないと、強く思った。




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Mamboさんにお世話になり、Mさんに搬入を手助けしてもらい、kenplinさんに内部確認と音出しを手伝ってもらって鳴り出したうちのボザーク。

やっぱりモゴモゴ言ってる。

しかし・・・・・





どうしてもやってみたかったことがある。

そう、ボザーク純正組み合わせ。

ボザークラインミキサーにボザークパワーアンプを使ってボザークスピーカーを鳴らした。




音だし確認の時は、フィリップスパワーアンプを使っていたんだが、
このスピーカー、結構鳴らすアンプを選ぶ。
正確なインピーダンスは知らないが、どうも相当強い駆動力を必要とするようだ。
フィリップスのパワーアンプでは青息吐息

ということは、
ボザークのパワーアンプには、強力な駆動力が盛り込まれているに違いない。



実際にボザークのアンプで鳴らしてみると、これは当然のごとく鳴る。

当たり前だが、この当たり前がなかなか出来ないのがオーディオなんだ。


ボザークのパワーアンプにしたって、公表されるワット数はフィリップスより低いくらいだけど、
ここら辺が不思議なところだね。

実に生き生きと鳴る。


で、

暫くはそれで楽しんでいたんだけど、

ふと気が付いた。


これって、JAZZなんじゃないか?



JAZZはわかっていなくて、はっきり門外漢の私ではあるが、
最近、JAZZってこう鳴らすんじゃないかって思えるモノが出来てきた。

よく言われるように、フラットでクラシック、ちょっと暴れてJAZZなんてつまらないものじゃなく、
自分としてのJAZZ像がようやく固まり始めてきたのかもしれない。




ボザークのスピーカーは、よくクラシック向きだと言われる。
しかし不思議なことに、私はボザークで聴いているクラシックファンを知らない。

アルテックやJBLやエレクトロボイスほど、日本では(?)メジャーにならなかったボザークだから、
使っている人も少ないのではあろうが、
それにしても、知らない。


モゴモゴ言ってる音を耳にして、
カキーンと鳴るトランペットが好きなJAZZファンが、
このスピーカーはクラシック向きだと宣言しちゃったに違いないんだ。


Kenplinさんと初めて音を出した時、
やっぱりモゴモゴ言っていたボザークなのだが、
しかしその緻密な音に心底驚いた。

こんなに凄いスピーカーだったっけ?と、過去の自分の耳の経験量の少なさを恥じた。

この全帯域に渡る緻密さと比べれば、JBL大型ホーンシステムは、
間の抜けた能天気なおバカさんだね。




落ち着いて、
ボザークの音に浸り込んでみれば、それは解る。



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ボザークアンプとボザークスピーカーの組み合わせは、
さすがに納得できるものがあった。

しかしそれは、私にははっきりJAZZシステムだと感じられた。
荒いからJAZZ、癖があるからJAZZなんてつまらん話じゃなく、
何故だかその肌合いがJAZZを思い出させるんだ。


JAZZが嫌いなわけじゃなく、
それどころかここでのシステムで聴くのは圧倒的にJAZZが多いのだが、
いつものへそ曲がりで、私はこのシステムを崩した。

その音が嫌いだからではなく、
JAZZが聴きたくないわけでもない。

好きな音だし、JAZZをのんびり聴いていたい。

でも、
これは私の音ではないと感じてしまったんだ。


ボザークアンプは、とうとう役目を終えてしまった。



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ボザークのアンプを使わないのであれば、

いや、

私はこのボザークのスピーカーにJBL6233を使ってみたくなっていた。

Urei/JBLになる前のJBLアンプ

Urei/JBLの62XXシリーズのアンプは、私は非常に好きで、
我が家のメインアンプとして長く君臨していた。

しかしそれは、長く続いてきたJBLのアンプとしては、異端であることは明らか。

私自身がJBLアンプの直系と位置づけているのがこの6233で、
このアンプはあまり知られていないようだが名作だと思う。
もう一台欲しい。

決してファットにならず、しかし細くならず、艶を湛えたまま力がある。

6290のように、ウーハーをネジリ潰すような駆動力を誇るのではなく、
どこか都会的な風合いを持っている。

これとアンペックスミキサーとの組み合わせは、
私にとっていわば伝家の宝刀で、スピーカーではなく、この組み合わせ中心にシステムを組みたいくらいだ。




ボザークアンプに比べ、懐深く、伸びやかだ。



ああ、自分の音になってきたと、ホッとする

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このボザークの正体は、mamboさんの追跡調査で明らかになった。
ホントにありがとうございました。

それは予想通り410ムーリッシュのプロトタイプであったわけだが、
簡単に予想は出来ていた。

8個のツイーターをマルチセルラ風に配置したのがモノラル時代の310。
音を広げるという意味での配置であったと考えられるのだが、
それがステレオ時代になると縦に一直線の配置となる。
ステレオ効果をはっきり出すための配置であると思われる。

4本のウーハーの近接配置を崩さずに、スコーカーとこの縦配置8個のツイーターを
バッフル面に配置させると、どうしてもうちのボザークのバッフルの大きさが必要になる。
そして理想的なエンクロージャーの容積を割り出すと、まさにこのバカでかいエンクロージャーになる。

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対して410ムーリッシュは、4本のウーハーの近接配置を犠牲にして8個のツイーターアレイをその間に割り込ませている。
BOZAK B-410 Moorish The Concert Grand

そのおかげでバッフル面は若干小さく出来ている。
さらに全体のプロポーションを考えると、あの410のエンクロージャーがすぐに理解できる。

つまり、

シロートが考えてもボザークの理想はムーリッシュではなく、うちのボザークにあると確信できるんだ。

Mamboさんの調査であのムーリッシュのエンクロージャーの大きさが、セールスからの希望を取り入れたものである事が確認できた今、ボザークのスピーカーエンジニアの理想が、どういうわけか、海を越えたこの極東の辺境の地にある事が、不思議な感慨を私にもたらしてくれる。




しかし、最も注目すべき点はそんなことではなく、ボザークが考えたスピーカーの使い方にあると思うんだ。


ウーファー:30cm×4
スコーカー:16cm×2
ツイーター:5cm×8

というこの比率が大切なんだ。

これこそボザークが到達していたエネルギーバランスの回答なんだ。



スコーカーとツイーターは実はメタルコーンが使われていて、ダンプ剤が塗られているから見たところは普通のユニットと見分けが付きにくいなんてことはこの際どうでもいい。

そのエネルギーバランスのとり方が素晴らしいんだ。





ボザークの大型スピーカーに配置されている多くのユニットを見て、
高いスピーカーには沢山のユニットを使うんだななんて考えていないだろうか?

このウーハーとスコーカーとツイーターの数の比率が重要なのだ。
驚くべきことに、モノラル時代にもはやこの比率を確立している。


もっと話を進めようか。


ボザークのこれらのスピーカーの後継者(後継機)は、誰がどう見てもマッキントッシュのXRT-20であるわけだが、あのスピーカーのウーハー、スコーカー、ツイーターの比率を思い出して欲しい。

2本のウーハー、1本のスコーカー、そして数多くのツイーター。

時代の流れとして高域を伸ばす必要があるなら、ツイーターは小さくせざるを得ない。
当然一本あたりのツイーターが持つエネルギーは小さくなる。
5センチのツイーター8本と同等のエネルギー量を確保しようとすれば、
小さなツイーターはより多くの数が必要となる。
そうしてXRT-20のあのプロポーションが確立する。

つまり、

そのユニット比率はB-410ムーリッシュ・コンサートグランドより一回り小型のB-4000Aムーリッシュ・シンフォニーそのままなんだ。
BOZAK B-4000A Moorish Symphony


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この二台は放出します。
ラインミキサーが八万(終了) パワーアンプが六万
どなたか可愛がってくれる方はいらっしゃいませんか?

ちょっとマニアックだけど・・・・   (^_-)

by johannes30w | 2009-09-26 13:49 | オーディオと音楽


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