交響曲というものは、一般にクラシックと呼ばれる音楽のメインとなるもの。
しかしその交響曲も、20世紀初頭にはもう死に絶えたと言われる。
あとはショスタコービッチが遅れてやってくるのみ
さまざまな意味で、最後にして最大の交響曲は
ブルックナーの八番とマーラーの九番の二つであることは、譲りようが無い
これらの交響曲を聴くのは、その内容を知るものにとっては特別なことで、
あだやおろそかに聴けるものではない
しかし時に聴いてしまうこともある
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数多くの名演と言われる演奏が残っている
ブルックナーの八番と言えば、ケンペの演奏が耳から離れないが、
珍しくテンシュテットのCDに手が伸びた。
テンシュテットは好きな指揮者の一人なのだが、
そのレコードには実はあまり感心したことが無い。
好きなはずなんだが、いつも物足りなさを感じてしまっていた。
それでは何故好きなのかと尋ねられても、
明確に答えられないのだが、
最近、少し解ったことがある。
この人のライブは、スタジオ録音とは全く違う音楽が鳴り響く
テンシュテット指揮 ブルックナー交響曲第八番
1981年のライブだが、音は大したこと無い
ロイヤル・フェスティバルホールでのBBCによる(ラジオ用の?)録音
ああ、ラジオ用だなと思える酷い音だが、私にはその臨場感が嬉しい大好きな録音。
エアチェックで、デッキの前に座り込んでた頃を思い出す。
この異様なテンションの高さはいったいなんなんだろう
第一楽章冒頭の霧の中から現れる低弦から、もうビリビリしてる
ゾッとするような緊迫
身じろぎも出来ない音楽が襲ってくる
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最近は、指揮者界も人材難であるせいか、
独奏者あがり(変な言い方だが)の指揮者が増えている。
そのせいか、そういう風潮なのか、
オーケストラと馴れ合いの挙句の演奏をよく聴く。
聴くに堪えない
そんな演奏は、自分の家の中で友人達で楽しんでくれればいい
馴れ合いの気持ち悪い演奏など聴いているほど暇じゃない
全ての演奏家が全身全霊を込めて表現するのが音楽なのであって、
そうでないならそれは音楽じゃなくBGMだ
とてもじゃないが、曲を知らない人にはお勧め出来ないが、
久しぶりにいい音楽が聴けた
(ちょっと興奮ぎみ)