ダークサイドへようこそ

johannes30.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2012年 07月 19日

究極の理想

e0080678_117294.jpg


私がオーディオというものに興味を持ち始めたのは1976年。

当時、究極のテープデッキとして君臨していたのは、

Studer A80 と、 Ampex AG-440 だった。



「究極の」なんて書いたけれど、

これはオーディオファンの側から見た場合なのであって、

それを趣味なんかじゃなく仕事とするプロの世界では、

無くてはならない存在であったに違いない。



我々一般のオーディオファンから見れば、

オープンリールデッキの存在自体が実は最も遠いものだった。

当時の音楽ソフトは当然レコードがメイン。

ソフトを聴くだけのオーディオマニアにテープの出番はほとんど無い。

エアチェックという今やほとんど聞かない文化もあったが、

いろんな言い訳をして、簡便なだけのカセットテープを使っていたのが現実だった。


オープンリールデッキといえば、2TR38cmというのが合言葉みたいにもなっていた。

1/4インチ幅のテープを2つのトラックのみのために用い、秒速38cmでテープを走らせるフォーマット。

早い話がマスターテープのフォーマットなんだ。

レコードはこの2TR38cmのテープから作られる。

このフォーマットが我々が用いることの出来る(恐らく現在でも)最高品質のフォーマットなんだ。



趣味としてのオーディオを楽しんでいる我々にしたって、

その最高品質の2TR38(ツートラサンパチ)フォーマットに憧れを持つのは当然だ。

(現代に置き換えれば、ハイレゾ音源に憧れるようなものか)

だから、聴くだけのオーディオを乗り越えた人たちのみが、この2TR38に手を出した。

もちろんもともと生録を趣味とされる場合もあるだろうが、

そういう方であっても、ある程度のオーディオからの卒業がなければ、そんな趣味は成り立たない。



オーディオファンのような機械好きメカ好きであるなら、

当然その最高のフォーマットである2トラ38が欲しいに違いないのではあるが、

しかし、そんなフォーマットを可能とする大型デッキを手に入れたとして、

一番の問題になるのはそのソフトの問題なんだ。

前述したように、2トラ38というフォーマットはもともとマスターテープのもので、

我々が手にしたところで、実際にはその恩恵を受けるのは非常に難しい。

それこそ生禄マニアなら必要不可欠とも言えるのかも知れないが、

そうでない人間にとっては、実際には猫に小判に近い。



それでもオーディオ好きは2TR38に拘ってしまう。



さらに具合の悪いことに、

ほとんどの機種では2TRと4TRは両立させていない。



特殊なものを除いて、我々が手にすることが可能なオープンリールテープのソフトは4TRなんだ。




つまり、

実は、

憧れだけで2TR38を買ってしまっても、

生禄をしない人間は、

ほとんどそのフォーマットに縁が無いばかりか、

多くの既存のソフトさえ聴けないんだ。





それでもね、

オーディオファンは、2TR38が欲しいんだよ。






斯く言う私だって欲しくて欲しくてしかたなかった。

自分で買うなんていうことは、不可能な高校生だった私は、

オヤジさんが買う気になるのを祈るしかなかったんだけどね。








憧れの機械であるStuder A80やAmpex AG-440も、もちろん2TR機

したがって、現在これらの機器を、憧れだったと言うだけで買ったとしても、

生禄などやらない私にとってすれば、

それらはオブジェにしかならない。



昔エアチェックした十数本の2TRリールテープのためだけに、

これらを買うのはさすがに憚れた。





しかし、

ここ最近私は4TRのミュージックテープに夢中になってきた。

ソフトを買うのは実に楽しい。

オーディオを買う比じゃない。

いろいろ調べて買っていくと、ミュージックテープの市場は思いのほか充実していて、

驚くようなソフトが手に入ったりした。

再生するデッキにも良いものが欲しくなって、いろいろ試しだした。

ルボックスA77の4TR機を手に入れ、ああ、これで良いかななんて思ったが、

動き出した何かは止まらない。

ルボックスA700の4TRヘッドセットを見つけ出して手に入れた。

本体も持ってないのに。。。



e0080678_1181861.jpg




どうしても、昔の憧れが頭をよぎる。

Studer A80 や、 Ampex AG-440で、4TRテープが再生できるように出来ないか?

Studer C37 や、 Ampex 300 が欲しいなんて贅沢は言わない。

こういうコンソール型のがっちりしたデッキで、4TRミュージックテープが聴きたい。



Studer A80に、ルボックスA700用の4TRヘッドを移植できないかなんて考えてみた。

こういうのは自分でやってみるしかないのだが、

A80の、あの緻密なヘッド周りの構成を考えれば、

これは相当な難題になるかもしれない。。


それならAmpexに移植できないかとも考えた。

移植できなくとも、

そもそもあのミュージックテープたちは440で製作されたに違いないんだ。

440で4TRが扱えないわけがないはずだ。


考え考えいろいろ調べていくと、

440のヘッド部にはもう一つヘッドを取り付ける空間が確保されていることが判った。

うん!

もしかしたら、2TRの録再と、4TRの再生が両立できるかもしれない!!

(イコライジングについては後で考えることにした)

さらにいろいろ調べていくと、

アメリカにはまだAmpexのテープデッキをリビルト・調整してくれる会社があることが判った!

数ヶ月考えていたが、

思い切って問い合わせてみることにした。



「できる」


という返事が来た




やった!!!








完全にリビルト・調整された、2TR録再・4TR再生のAmpex AG-440Bが来た!


e0080678_1363631.jpg



e0080678_1365215.jpg


by johannes30w | 2012-07-19 01:21 | オーディオと音楽


<< 夢にも見れなかった      AMPEX !! >>