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2013年 05月 08日

サブ

私はサブシステムというものを認めなかった。

その気持ちは今も大きくは変わらない。



しかし意外なところで聴く、

いや、

聴いてしまった音楽に、深い印象を受けることも多い。




自分の理想を追求するために、

心血を注いで築き上げてきたシステムも、

どれだけの想いが込められているか、

自分自身が一番知っているだけに、

自分の体調や気分によってはことさらに重く感じてしまうことだってある。


それが本音なのだろう。






私のマンハッタンシステムはたった一人のためにある。

システムに一番近い椅子がそれで、

そこに座って聴くことだけを考えて調整している。


その一つの椅子の後ろには、一応ソファーのセットなども置いてあるのだが、

そのソファーでは聞くに堪えない音がする。

人様のお宅では、部屋の隅に座り込んでもあんなに酷くはならないのに、

部屋の具合だろうが、我が家ではそれはそれは酷いことになる。

椅子からうしろに離れるにつれて、どんどん低域がかぶさってきて、

ソファーの位置では、低域が耳を圧迫するようなバランスになってしまう。

そのこと自体は仕方の無いことで、どうしようもないし、どうするつもりもないのだが、

私だってソファーに寝そべって聴きたい時もある。


そんな時は、極々小音量で聴くしかないのだが、

そんなふうに聴くためだけに、

目が覚めてくるのに3時間もかかるようなシステムに灯を入れるのが億劫になるときもある。



精神も含めて、自分の身体が弱っているのだろう。







言い訳ばかり並べている気もするのだが。













昨夜もどうも気分が優れず、

とうとうマンハッタンシステムに灯を入れられなかった。



部屋に居るには居るのだが、

何をするでもなく、

しかし何か寂しく、

音楽が流れて欲しい。




そんな時に、サブシステムが必要なのだろう。












ほんとうは、聴かなきゃいいんだ。







サブ_e0080678_1101477.jpg





以前も紹介したが、

私のサブシステムは、フェログラフを中心とする。



今までも何度か気まぐれにサブシステムを組んでみたが、

その形を維持したものは皆無だった。




実験的なものが多かったが、

キャバスで組んだものなどは、

自分では気に入っていたはずだった。

それでも長続きせず、

ひと月も持たずに手を離れた。


今思い出してみれば、その理由も解る。


サブシステムとはいえ、

それは心の琴線に触れるような存在でなくてはならないんだ。



キャバスシステムは、どこをとっても私のマンハッタンシステムを凌駕する何物も持たなかったんだ。










サブ_e0080678_1162043.jpg



昨夜、フェログラフシステムで聴いたこのピアノソナタは、

今夜も自分の中で鳴っている。


どこまでも美しいあの第二楽章の響きが、

今夜も自分の中で鳴り響く。


私はやっと、愛すべきサブシステムを持てたのかもしれない、

by johannes30w | 2013-05-08 01:25 | オーディオと音楽


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