2007年 10月 31日
禁断のアルテック3ウエイ なぜアルテックが2ウエイに拘るのか。 なぜアルテック3ウエイを試した後、2ウエイに戻る人がいるのか。 薀蓄はともかく、やっぱり自分で試さなければ始まらない。。 アルテックA‐5は、イコライザーを含めていろいろいじってやれば、本当に2ウエイで納得、満足できる帯域を持っている。帯域再生よりも、実は遥かに大切な音楽を伝える能力などは、とんでもなく素晴らしい。 そのままで聴いていれば幸せなはずなのに、帯域を伸ばせばもっと音楽再生能力が高くなるんじゃないかなどと、シロートのくせに考えちゃうのがオーディオファン。 そこら辺の、シロートに毛が生えたような、よってシロート受けしやすい青臭いオーディオメーカーではなく、王道中の王道、プロ中のプロたるアルテックに、3ウエイをやるということは、挑むことになる。 ま、バカなオーディオファンのはしくれとしては、試してみないとね。 今回集まったブツの中で、902-16HFはもちろんツイーターとして使うことを前提として考えていた。 前日の、これを使った2ウエイ実験で、3ウエイのツイーターではなく、2500Hzクロスの2ウエイのツイーターとしても十分使えることは確認済み。 要は十分なパワーを持っているということだ。 ま、当然のことで、A7システムのドライバーは、ほぼこれだし、604シリーズのツイーターもこれ。 828エンクロージャーのホーン開口部にぶら下げられたMR902-16HFが見えるだろうか? アムチャン2台を使う。 実はこの2台のアムチャンも、製造時期が違うらしく、内部は微妙に違っている。 が、今回はそこまでは突っ込まない。 ベースとなる2ウエイのクロスは500Hzに固定し、さあツイーターをいくらでクロスさせるか。。 アルテックの数少ない3ウエイシステムのツイーターがどのくらいのクロスを設定しているのか、まったく知らない私であるから、参考にするのはJBLのシステム。 つまりツイーターのクロスは7000Hzあるいは8000Hz。 とりあえず7000Hzクロスで聞いてみる。 聴いてみると… ダメだ 確かに帯域は綺麗に伸びた。 オーディオ的には正しい方向で、帯域への不満はもはや感じない。 しかし、 まったく魅力を感じなくなっちゃった。 あわててこっそりクロスを8000Hzに変更。 大差なし。。 ダメはダメ。 なんでこうなるのかな? システムが上手く働きだすと、どんどん聴きたくなるもんだ。 でも、今、このアルテック3ウエイでは、次のCDにまったく手が伸びない。 どういうことだ? ここで、音楽を聴くにはナローがいい、なんて結論着けるのはあまりに短絡的。 やはり、3ウエイにする過程で失われた(アルテックの)魅力があると考えるのが順当だろう。 上がMRⅡ542、下がMR94。長さはほぼ同じだが、開口部の大きさの違いが解るだろうか? ミッドのホーンのみをMRⅡ542に変更する。 やっぱりまったくダメだ。 ミッドのエネルギーは当然劇的に上がり、もはやツイーターは何の仕事をしているのかも定かではない。 これはまったく話にならん。 MRⅡ542に合わせられるようなツイーターなど存在しない。 って、もとからそんなことをするようには考えられていない。 お前はバカか? と、アルテックにあざけり笑われたような気がした。 バカは解ってるんだけど・・・・・ みんなは当然寡黙になった。 しかし、 なぜアルテックはこうもまで3ウエイを拒否するのか。 なぜこんなに魅力が失われるのか。 ぼんやり考えていた。 みんななんだかがっかりして、意味の無かったMR902-16HFははずしちゃった。 さらにぼんやりしていたが、 ありささんが提案してくれた。 チャンデバを並列で使ってみようと。。。 !! つまり、 アルテック2ウエイA5は弄らずすのまま鳴らす。 で、別駆動でツイーターを乗っける。 そうだね! アルテックの魅力を生かして(残して)、クロスさせずに単にツイーターを追加するかたち。 そうだね! もうMR902-16HFは外しちゃった後だったので、いきなり別構成をとる。 291ドライバーの付いたMRⅡ564ホーンを使って2ウエイ 500Hzクロス。 それに別駆動で288ドライバーの付いたMRⅡ564ホーンをツイーターとして使う。 ツイーターとしては、やはり291より288の方が好ましい。 ツイーターは、もちろんアムクロンチャンデバを使った。 で、 ハイパス周波数は、、、、10KHz(12KHzだったかな?)とした。 本当にケロヨンみたいだが、、、、。 これはなかなかいける。 まずまずの結果が得られた。 288ドライバーツイーターは、JBLのものより好ましかった。 というか、アルテックの902ドライバーツイーターより好ましかった。 エネルギーバランスなのだろうか。。。 いろんな思いが頭をよぎる。 アルテックの2ウエイ、独特の「ハイの落ち」にその魅力があるのだろうか。 魅力の秘密はマルチウエイには無いエネルギーバランスの変化の無さなのだろうか。 正直に言えば、見た目の悪さはさておき、上のケロヨンシステムを決定的システムとするのにはなぜか抵抗があった。 一日半かけてアルテックシステムを弄りまわしてきたが、このケロヨンシステム、頭では最もバランスがとれたようにも感じたのだが、それでもやはりアルテックの魅力がどこか失われていると判断せざるを得なかった。 あのケロヨンシステムなら、いっそ564一本で、単純な2ウエイのほうがいい。 オーディオ的には退化だけど、なぜかそう強く思った。 時間を置くにつれて、その思いはさらにさらに強くなる。 オーディオ的に退化させたほうがいいなんて、実際にアルテックを聴くまで想像もしていなかった。 実体験は素晴らしい。。 話が前後するが、 ウーハーの聞き比べもやった。 上が新しい3156、下は515. 515は誰でも知ってるよね。。 泣く子も黙るALTECの銘ウーハー。 3156は、ずいぶんと新しい。 おそらくマンタレーホーンより新しい。 アルテックが新しいシネマシステムスピーカー(THX対応かどうかは知らないが)を作った時、JBLやエレクトロボイスと同様に、バスレフ箱+ダブルウーハーと、CDホーン+大型ドライバーの2ウエイシステムを作った。その時に、ダブルウーハー用バスレフ箱に入れるべく作られたのだろう。 ALTECのサイトで確認してね。 これ、A6なんて書いてある。 ちなみにA10というのもあって、こちらは3154ってウレタン(?)エッジのウーハーが使われている。 (このA10で使われているホーンはどう見てもエレクトロボイスのもの? そっくりだね。) こっちははっきりTHX仕様だね。 この3156ウーハーが手に入ったので、828エンクロージャーを使って515と聞き比べてみた。 パッと聴いて、、、 3156は515に比べて濃い中域を持っている。が、全体としては音が軽い。 ALTECのウーハーは、JBLに比べると総じて濃い中域を持っている。 だがその濃い中域は、JBLに比べて上品で、ウーハーの高域が大嫌いな私にとってもイヤじゃないどころか非常に魅力に感じる。バイオリンの胴鳴りなど絶品だ。 私のマンハッタンシステムは、弦の音が自分でも上手く鳴っていると(あくまで自己満足だが)評価している。 (実際に聴いてもらわないと誰も信用してくれないだろうなぁ~) だが、この胴鳴りがあるかぎり、バイオリンはALTECに勝てない。 JBLでこのALTECの胴鳴りを再現してやろうと頑張ったこともあるが、ひどく下品になった。 ALTECは上品さを失わないまま、実に魅力的な胴鳴りを表現する。 その一番の立役者が515ウーハーだと考えていたのだが、3156はさらに濃厚な中域を持っていた。 わぁ! と喜んだ。 これならいとも簡単に いとも簡単にあのALTECの弦を聞くことができるんじゃないか? いずれにしても、515とはまったく違う音。 軽やかで、でもパワーを得やすい印象。 使ったことはないのだが、もしかしたらこの3156、416に近い音なのかな? コーン紙も、まるっきり違う。もちろんコーン紙をはじいた音も違う。 515とは使い方を全く変えなければいけない気がした。 たとえばクロスを500Hzではなく、もっと上げて使うとか、ローは早めに切ってサブウーハーに任せるとか・・・。 だが、 同じ使い方で515とがちんこ勝負すれば、、 残念ながら格の違いがはっきりしてくる。 長い時間聞いていると、そのことがはっきり分かってくる。 だが、 たとえば、 使用帯域を絞ってやれば、それこそボーカルに独自の温かみのある、しかし重たくない魅力的な再生が可能だろうなぁ~ と、 ざっと書いてきたが、それでは何が得られたか。 膨大な経験、すばらしい経験。 では、自分のALTECシアターシステムのどこが変わったかと聞かれても、 なぁ~んにも変わってない。 828エンクロージャーにしばらく使っていた3156は515に戻してしまった。 ホーンはMR94で、ドライバーはイコライジングを前提に、素直な291を選んだ。 見た目はまったく変わらないが、音はまるっきり変わったよ。 今は、ご機嫌です。 ALTECのバイオリンは失わなかった。 ネットワークをやっぱり考えたいが、うちの場合マルチの方が安くつくし、、、、 でも、ネットワーク、もう少し試したいな。。 記念撮影
by johannes30w
| 2007-10-31 08:21
| オーディオと音楽
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