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2012年 01月 28日

憧れと、その実現と、

様々な出会いを繰り返し、今の自分がここにいる。

人との出会いはもちろん、いろいろな機器とも出会ってきた。

憧れ続けた機器と、やっとの思いで巡り合ったこともあるし、

とうとう出会えないものももちろんある。




私などの世代は、憧れは雑誌からの情報が主で、

その当の機器は聞いたことはおろか、実際には目にすることも無かった。



それでも、そんな雑誌の片隅に載っている機器に憧れ、

その発する音に思いを巡らした。


機器など買えるはずの無い中学生が、日本橋などをうろうろしていたのは、

そんな機器にどこかのオーディオ店で出会えはしないかと淡い期待を持っていたからだ。




大人になり、

そんな機器にめぐり合って、

とうとう自分のものに出来る人もいる。

どうしても目の前を通り過ぎるばかりの人もいる。

それぞれの人生。





憧れの機器を、自分のものに出来た人は、

それは何といっても幸せ者だ。

長年憧れ続けたものを、

憧れながら、自分のものにするのはやっぱり無理なんじゃないかと、

どこかで自分を諦めさせてきたような機器を、

実際に手にすることが出来た人は、

誰が何と言っても幸せ者だ。





しかし、

だ。




オーディオの場合は少し話が複雑になる。

オーディオは、手に入れただけでは終わりにならないからだ。



だから、オーディオをコレクションとして楽しむ場合であっても、

それは時計などのコレクションとは全く違ってくる。





夢想に夢想を重ね、そのオーディオ機器の発する音は、

まさに自分の夢と化している。



憧れたオーディオ機器を実際に手に出来た時、

喜びは頂点に達するだろう。

その手触りも、重さも、金属のひやりとした冷たさも、

すでに頭の中で何度も思い描かれたもので、

もはや懐かしさに似た感慨を覚えるのかもしれない。


しかしオーディオ機器の場合は、そこから先がある。


抱くようにセッティングし、結線する。

電源を入れ、温まったころを見計らって、

いよいよ第一声が発せられる。


そんなオーディオ機器が音楽を歌い出した時、

その人は、さらなる喜びに打ち震えるのだろうか。

それとも、どんどん血の気が引いてゆき、絶望のどん底へ落ちてゆくのだろうか。





先日、KTさん宅へ遊びに行ってきた。

HL-88(537-500?)だ。


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誰もが夢見るホーン


私だって夢みた

私にはとうとう縁が無かった。



KTさんが、こいつを夢見て夢見て、その挙句に手に入れたのかどうかは知らない。

不思議なことに、

HL-88の話は聞かなかったが、

隣の075との出会いの話は聞いた。

信じられないような話だったが、

出会いなんてそういうものなのかもしれない。




ドライバーには当然375が使われている。

ホーンにはHL-88、ドライバーに375、ツイーターに075、

JBLファンなら誰でも憧れるシステムだ。

憧れたJBLファンのうち、どれだけの人がこのシステムを手に出来たんだろうか。

昔の私みたいに、音も聞いたことも無い人だって多いに違いない。

そんなシステムを構築できたKTさんは、誰よりも幸せ者に違いないんだ。

誰よりも、贅沢者に違いないんだ。

でも、

その音を聞かせてもらって、

私は少なからず動揺していた。


つづく

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by johannes30w | 2012-01-28 01:50 | オーディオと音楽
2012年 01月 13日

本来の

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ノイマンのこの真空管式フォノイコライザーを手に入れたときは本当に嬉しかった。

自分にとってのまさに決定版となるべきフォノイコライザーを手に出来たと思った。

しかし現実はそんなに上手く運ぶはずもない。

もちろん酷い音がしたわけではなく、まずまず納得できる音は最初から聞かせてくれていた。

ただ、

ここでも何度も書いてきたとおり、いかんせんゲインが低い。

これは私がSPUを使っているせいで、EMTあたりを使うのなら問題は無くなるのかなと考えていた。



ゲインが低いというのは、単にボリューム位置がかわるというだけのことではない。

MCカートリッジを使われている方なら直ぐにお解かりいただけると思うが、

例えばいろいろな昇圧トランスを聞き比べた場合、

ゲインの低い(昇圧比の低い)トランスは、概しておとなしい。

良く言えば美しく鳴る。

逆にゲインの高い(昇圧比の大きい)トランスを使えば、

元気があり活き活きする。悪く言えば雑になりがち。



このことがこのノイマンのフォノイコライザーでも感じられていた。

文句は無いのだが、いかんせんおとなしすぎる。

あのノイマンらしさがほとんど感じられなかった。

他のフォノイコを捨てられないままでいた。







私が機器を選択するときは、私自身の感情の変化に気をつける。

これはいいな~なんて思うときは、意外とたいしたことは無い。

この程度の感情の変化では、あれもいい、これもいいという状態を抜け切れていない。

言わば十把一絡げの状態、そういう機器に過ぎないということだ。

本当に選ぶべき機器というのは、聞いた瞬間それとはっきり解るもんだ。

うわー! これしかない!  と思えるもんだ。



そんな、聞いた瞬間ひっくり返るような経験も、何度もしてきた。

ごんたどんのUreiコンソールもそうだった。

ノイマン444Aフェーダーもそう。

最近では、RCAギアドライブのプレーヤーもそうだった。

私だけじゃなく、一緒に聞いていた人がみんなひっくりかえった。

選ぶべき機器というのはそういうものだ。



今まで、アナログ周辺の機器というのは、もともと十把一絡げの機器ばかりなんだと思っていた。

カートリッジなんかまさにそうで、SPUもいい。EMTもいい。シュアーもいいし、エラックもデッカもいい。

そんな世界がアナログの世界で、

その違いを積極的に楽しむのがオーディオだなんていう風潮がいつの頃からか言われてきた。

そんな聞き比べを楽しむなんていうのは私は嫌だなんて言ったって、

もうアナログというのはそういう世界なんだと半ば諦めていたんだ。




だから、自分の決定版として手に入れたノイマンのフォノイコが、「そこそこ」上手く鳴るという状態でも、

さほど気にはしていなかった。




ただ、



あまりのゲインの低さに、これは機械の不具合があるんじゃないのかと、そのことは気になっていた。



真空管がへばっているのかなと考え、Mさんに真空管測定器をを借りて、

しかし持ち前の不精からそのままほっぽっていた。




ありささんが久しぶりにやってくることがわかって、

一度相談してみようと思った。




ありささんは、うちのシステムがデジタル化され、どう変化したのかを聞きたかったようだ。

私にしてみれば、音を良くしたいからデジタル化したのではなく、仕方なくデジタル化したというのが真相に近いので、少し微妙な気分ではあったが。。。



ともかく、デジタル化したうちの音をCDで聞いてもらったあと、

レコードも聞いて貰った。


そこそこ良いと思ってもらえたと思うのだが、

前日から相談していたノイマン・フォノイコのゲインについて質問してみた。



ありささんも少しく考えてくれていたようだが、予想された電圧は問題なかった。

やっと使った真空管測定器でも、それぞれの真空管は全く問題が無かった。

要は、ノイマンの動作に問題は見出せなかった。



「私なら、スチューダーミキサーのマイク入力を使ってみます」というありささんの言葉にも、

私は少し半信半疑だった。



確か、私自身もマイク入力を試したはずだ。

しかし、記憶があいまいだったので、そのことはありささんには言わなかった。



重い重いスチューダーミキサーを前にずらした。

何故か私は違和感を覚えていた。

フォノイコからの出力を、スチューダーミキサーのライン入力端子からマイク入力端子に入れ替えた。

切り替えノブをマイク入力に切り替えると、







ドンピシャのゲインとなった!



こいつはマイク入力で使うフォノイコだった。

そういえば、ブロードキャストフォノイコライザーなんて言われてたっけ。

パッシブフォノイコライザーと同じ使い方をするんだ。

なまじっかコンセントがあったり、真空管使ったりしているから混乱してた。

作られた時期から考えれば、そういうフォノイコのあり方のほうが自然だね。










嬉しかったが、

やっと思い出した



私が自分でマイク入力を試したときは、入力端子の変更をしていなかった!

ライン入力端子のままで、ノブだけを切り替えてマイク入力にしたんだった。

そりゃノブを回しても変化しないはずだ。




アメリカからパッシブフォノイコなるものを取り寄せて、

これはマイク入力で使うものだなんてかっこつけても自分が出来ていない。




適正なゲインを得たノイマンのフォノイコライザーは、

本来の姿を取り戻した。

これぞノイマンだね。




スチューダーのマイク入力で受けて、

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ノイマン444Aで最後のダメ押しをしたのちにデジタル化する。

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私のフォノイコがやっと決まった。

もう言い訳も必要ない。


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by johannes30w | 2012-01-13 23:53 | オーディオと音楽
2012年 01月 12日

仲間が増えた

BUNJIN HALL M氏のおかげで仲間が増えている。

オーディオ好きは、その孤独なあり方から言っても仲間が少ない。

私のように、昔からオーディオの友人が居ることは、どうも珍しいみたいだね。

ネット社会になって、こういう孤独な趣味も、仲間が出来るようになった。

でも、やはりネット上だけではどうも良くわからない。

メールのやり取りでは本当の人間がわからないのと同じだね。

古い人間かもしれないが、相手が人間なら、やはり実際に会って、顔を見て、話をしてみないとね。


そういう意味でもBUNJIN HALLが開いてくれた昨年末の忘年会と、先日の新年会は、楽しかった。

そのご本人と会って、初めて仲間なんだと思える。



私のリンク先も増えた。



最も新しいリンク先は、matoさん


アルテックを使われているらしい。

アルテックもいろいろ聞いたり使ったりしてきたが、15セルは聞いたことが無い。

写真を見ても、かっちょいい!

何としても聞きに行かなくちゃ!



どうも行きたいところがどんどん増えてきている。

嬉しい悲鳴  !(^^)!

by johannes30w | 2012-01-12 00:23 | オーディオと音楽
2012年 01月 10日

友人たち





年末の出来事以来、私はしょぼくれていて、

何も聴いていなかった。





ソフトの無いオーディオは、ゴミだ。


そんな言葉が頭の中をぐるぐる回り、


私はオーディオをばらし始めていた。




ソフトがやってくるまで、組み上げることは無いと思っていた。









仲間が集まり新年会をすることになり、

なんとありささんも、いらっしゃることになった。

集まりは、基本的には新年会+16インチ~'s新会長就任を祝うもので、

私には直接は関係なかったのだが、ありささんはその前にうちに寄って下さるという。




ならば、




鳴らさなくてはいけない。


夜中に突貫でセッティング変更し、面倒な6ウェイの配線を済ませた。

音が出ることを確認した。



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今日、ありささんがやってきたので、

本当に久しぶりに鳴らした。





自分が嬉しかった。





ありささんへの質問もあったのだが、

その場で解決した。

素晴らしいね!

ありがとうございます。







いっぱいの仲間と鍋をつついた。

楽しい会話。

楽しい時間。




鍋が終わって、

ごんた会長宅へ数人が押しかけていった。

私はそこには入らなかったが、

残った連中と我が家へ戻り、

さらにおしゃべりした。


アナログの調子がいい!








友人たちがいなければ、

こんな復活は無かった。





改めて、みんなに感謝したい。



m(__)m


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by johannes30w | 2012-01-10 00:47 | オーディオと音楽
2012年 01月 03日

夢なのか

私の、そして我がオーディオの最大のイベントであったのは、

昨年末、マーラーの交響曲を一気に鳴らすことだった。

この時を逃して、そんな時は二度と来ない。


現在の自分の全ての能力をオーディオにつぎ込んで、

マーラーの全ての交響曲を鳴らしきりたかった。


気が付けば残るは30日と31日しか無かったが、

それでも自分の体力はもう無視してスタートした。



全ての曲で、鳴らす音源は、ほとんど決めていた。

もちろんベストワンなんていうものはありえないが、

私自身がが今選ぶ音源を順番に鳴らしていった。



私がどこまで聴き通せるのかは判らなかった。

これだけの大曲を立て続けに聴けるわけがないのは判っていたが、

それでもマーラーの全ての交響曲を実際の音にしようと頑張った。




もはや聴いていく順番は、その作曲順として、一番から順に聴いていった。

3番だけは29日に鳴らしたので、これは飛ばした。




第一日目、

5番まで聴いて、さすがにフラフラになっていたが、

あくる日に6番、7番、8番と聴いていくことは、これはもはや不可能に思えたので、

なんとか6番まで聴きとおした。



第二日目、つまり31日になり、

朝から7番を聴くのも厳しかったが、それでも集中して聴けた。

シノーポリのマーラーは、私には再発見と言ってよく、非常に魅力的に聴けた。

もしかしたら、昔はオーディオでプアな再生しか出来ず、その素晴らしさを十全に感じ取れなかったのかもしれない。

八番はケント・ナガノ。

この演奏の評判がどうなのかは知らないが、おそらく芳しくないものだろう。

しかし、中間部ともいえる第二部の冒頭からの、あのたゆたうような時間のうつりゆきを表現してくれるのは、

この演奏しかないように思える。

世評がどうであろうと、お気に入りなんだ。



作曲順ということを考えると、八番の次の交響曲は「大地の歌」

バーンスタイン・イスラエルフィルの演奏(バーンスタインの大地の歌で有名なのは、ウィーンフィルと演奏したものだが、私はこちらが好きなんだ)を鳴らそうか、ワルターの名盤にしようか迷ったが、もう十年以上聴いていないワルターを選んだ。

このレコードにもいろんな思い出が詰まっている。





とうとう九番まで来た。

時間は、2011年が終わるまで、あと数十分だった。

何を鳴らすかは、何日も前から決まっていた。

バルビローリ指揮 ベルリンフィルのレコード。







秋にビンバン先生がいらっしゃる時、

部屋のあまりの乱雑ぶりに、自分ながらに嫌になって、レコード棚を新調した。

私のレコードコレクションは数が知れているのだが、

それでも結構大変だった。

一枚一枚確認していったものだから。

その中に、バルビローリ指揮のベルリンフィル マーラーの九番のオリジナル盤があった。

大苦労して、6番のオリジナルを買ったのは、自分の記憶でも新しかったが、

本当に欲しいのはやっぱり九番で、

もうこれは高いから止めておこうと何度も諦めていた盤なんだ。

それを私はいつの間にか買っていた。

二枚に分かれたそれは、あの特徴的なジャケットもあって、本当に嬉しかった。

レーベルを何度も何度も確認した。

嬉しい!












もちろん若い頃に買った国内盤は持っているのだが、

あのオリジナル盤を鳴らすことに決めていた。

年末に会ったkenplinさんにも、うちにオリジナル盤があって、

それを、とうとう聴こうと思う、というようなことを話した。







2011の最後の時間になり、

やっと構築できたアナログシステムを使い、

オーディオの全ての力を総動員し、

あのレコードを鳴らそう!




私はレコード棚に行き、とうとうそのレコードを取り出そうとした。


しかし、


バルビローリの、そのオリジナル盤は、みつからなかった。





なぜだ?

何度も何度も探した。

みつからない。



みつからないと思うたびに、血の気が引いていくのが自分でもわかった。



こんなことがあっていいんだろうか。




あの時、あのオリジナル盤を見つけたのは、

夢だったのか?





オーディオは、電源が入ったまま年を越した。

レコードはみつからない。





やはり夢だったのだろうか。

しかし、




どうすることもできず、

2011年が終わってしまった。

by johannes30w | 2012-01-03 00:51 | オーディオと音楽