2012年 09月 09日
一人でじりじりと模索は続いていた。 今の私にとっては、PC音源よりCDPの再生がはるかに重要なんだ。 CDPが上手く鳴らなければ何の意味も無い。 ヒントは掴んでいた。 PCのデジタル伝送を完結させた時、 最初は誤って、デジタルパッチベイのSRC(サンプリングレートコンバーター)のスイッチを入れたままにしていた。 もちろん96kHz同士の伝送で、クロックも同期させているからSRCは不要で、在っても無くても音は出る。 しかし、必要の無いONに気が付いて、SRCのスイッチをOFFにした時、その音の変化に驚いた。 monさんも思わず言っていたが、出来の悪いトーンコントロールをONからOFFにしたような、いやいやそれ以上の変化があった。 dbx内臓のSRCと、tc electronic(デジタルパッチベイ)内臓のものとを聞き比べ、圧倒的なクオリティの差でtc electronicのSRCを選択したはずなのだが、それでもこんなもんだ。 要は、SRCというものは、必要な場合もあるだろうが、その音質劣化を考えれば使うことを躊躇せざるを得ない。 前にも書いたが、 CDPをデジタル伝送するには、どうしてもこのSRCのお世話になる必要があるんだ。 SRC、違う言い方をすると、アップサンプリング、又はDDコンバーター。 私の数少ないデジタル経験でも、当時流行っていたアップサンプリングというものには不思議な印象を持っていた。 理屈はともかく、それで出てきた音に納得のいくものは無かった。 これって、デジタル系のノイズを増やして、耳の錯覚で空間表現が優れるように思うだけじゃないのか?ってね。ノイズが増えて、全体にマスキングされて、表情が穏やかに見えるんじゃないか?とかね。 アップサンプリングには多くの疑問があるし、 SRCの存在自体での音の劣化もはなはだしいという経験ばかり。 CDを聴こうとする時、 デジタル伝送に拘り、 さらに現代のプロ機を使ったシステムでそれを実現しようとする時、 SRCは必要悪であろうがなかろうが、存在せざるを得ない。 しかし、負のイメージの多いSRCを、さらに今回追い討ちするような経験をしてしまった今となっては、 根本的に、考え直さなくてはいけないのかもしれない。 デジタル伝送というものを。 これらのことから私が実感として判断したのは、 96kHz系のプロ機を使った上で、違う系になってしまう44.1kHzのCDを聴く時は、どうしてもSRCを使わざるを得ないので、クロック等はわざと追い込まず、それぞれの機器が勝手に自分の内臓クロックを使わせて、わざと焦点をはずした再生をする方が上手く聞ける。 ではどうするのか。 ちょうどデジタルに集中しているその時に、お知り合いになったひこさんが、ADコンバーターを作ってくれた。 この詳しい内容はひこさんのブログに任せるが、非常に期待できる内容だった。 それまでも、CD再生においてはデジタル伝送と、CDPでアナログ化したものをもう一度ADコンバートして再生するその2通りを聞き比べていた。 今までの結論は、クロックで同期させずバラバラの状態でデジタル伝送したほうがなにもかも好結果を得ていた。 しかし、ひこさんのADC(ADコンバーター)がやってきてからは、微妙な状態が続いていた。 今回、出来る限りのクロック同期を行うことで、全体としてのクオリティアップがなされ、さらにその結果としてSRCの不具合が明確に感じられるようになってしまうと、明らかに、CDPで44.1をDAし、その後にADCで96kHZでデジタル化するほうが格段に良い! 凄いことだと思う。 SRCを使うくらいなら、DAとADを行った方が信号の劣化が少ないということだ。 それほど、44.1系と48系は、同じデジタルとはいえ、全く異なるものなんだ。
by johannes30w
| 2012-09-09 00:55
| オーディオと音楽
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