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2014年 03月 10日

某所において 2

部屋に入ると音楽が流れていた。

ロジャースのモニターだ。

モニタースピーカーというものの定義は様々にあるのだろうが、

先ず何よりも優先される能力は、音の物差しであること。

それこそが最も優先されるべきモニタースピーカーの能力。

音の鮮度や耳障りのあれこれ、音楽の聞こえ方などに対する要求は、

二の次三の次。



ただ、モニタースピーカーは当然ヘビーデューティーに作られることが多いため、

その持つ潜在能力は計り知れないから、

そこで我々オーディオファンが使う上では、

使い手によってはその潜在能力を生かして素晴らしい音楽を響かせる「こと」もある。




だから逆に言えば、モニタースピーカーを買えばいい音が、良い音楽が楽しめると思うのは大間違いで、

本当のモニタースピーカーで良い音、良い音楽を聴くことは、実は非常に大きなオーディオ的スキルが必要で、

苦労してでも良い音を聞いてやろうと考える人以外は、普通の人は手を出すべきでは無い。

普通のハイエンドスピーカーを買って、アンプを取り替えて遊んでいる方がはるかに楽だ。



オーディオ華やかかりし頃、自称モニターというコンシュマースピーカーが山ほどあって、

なんだか訳がわからないことになっていたが。






モニタースピーカーも国によって大きく違う。

アメリカ系、イングランド系、それにヨーロッパ大陸系と大きく分けることが出来るかな。



ご家老がお持ちなのはイングランド系。

BBC系のそのフラッグシップといっていいLS5/8。


オーディオの世界においてもこのBBCが果たした役割は計り知れず、

それは、比べるのもかわいそうだがNHKの比ではない。


あり時期から綿密な研究結果としてモニタースピーカーの規格を打ち立て、

それを元に多くの名スピーカーを生み出してきたが、

それより前は、ESLやデュアルコンセントリックも使われていたようだ。



中学生か高校生だったころ、

夏休みの間中、このLS5/8の民生バージョンといってもいいPM510を聞いていたことがあった。

初めて聞くロジャースのモニターには、これは実に感心した。

何を鳴らしても実にきちんと鳴る。

全く破綻せず、違和感なく鳴った。


流石にBBCモニターというものは凄いなと感心しきりだった。

JBLのブルーバッフルモニターで、きちんと鳴ってるものなど聞いたことも無かったからね。





しかし、

何日も聞いているうちに、

何だかどんどん不満が出て来た。

確かにすべてが過不足なく上手く鳴ってくれる。

言うことは無いはずなんだが、

しかししかし、

音楽が全然楽しくない。

何を聞いても文句は無いんだけど、ワクワクしない。


同じ部屋に置いてあった酷い音のパラゴンの方が、よっぽど音楽が楽しいんだ。

パラゴンは、弦の音などキーキー言ってて聞くに堪えないんだけど、

それでも何故だかワクワク聴けるんだ。


夏休みの後半半分は、ロジャースは全く聞かなくなってしまった。





何故そういうことが起こるのか、当時はさっぱり理解できなかったが、

それがモニタースピーカーというものなんだ。





ご家老が、LS5/8を入れられたと聞いて、

最初に思ったのはこのことだった。

全く過不足なく鳴ってくれるだろうけど、

さあそこから先へ進もうと思うと、

それに必要な労力は生半可なものではないはずだ。






部屋に入った時に鳴っていたボーカルに、私はゾクゾクした。

これはただごとでは無いと思った。

ご家老は、とうとうその先へ、一歩踏み出されたんだと思った。



呼び出された用事はさておき、

もう少しLS5/8を聞いていたかった。







と、

またまた本題にかすりもせずに終わってしまうのであった。   (*_*;
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by johannes30w | 2014-03-10 00:58 | オーディオと音楽


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