2007年 03月 28日
マーラーチクルスを始めたきっかけは、もちろん久しぶりに集中的にマーラーを聴きたくなったこともあるが、 新たに導入したアムクロンのKシリーズパワーアンプを、私のシステムとしてなじんで欲しかったということもある。 導入は、自分にとっては賭けみたいなもので、音として、私にとってほとんど理想的と思えたJBL62XXシリーズのパワーアンプを全て捨て去るのだから、そのリスクは大き い。 正直に言えば、パワーアンプをアムのKシリーズに入れ替えるのは、よりいっそうの改善ではなく、後退。 音が気に入らない方向へ行くのは解っていた。どうしようもないノイズの問題から変更を余儀なくされた。 後退するのは解っているが、それでも少しでも私のシステムに、そして私になじんで欲しかった。 そのための集中的なマーラー。 バランス取りなどは、試行錯誤すれば、解決すること。 大切なのは、なじんでくれるかどうかということ。 アムのKシリーズは、K1,K2と二種類のラインアップ。 カタログ上ではパワーが違うだけのような印象を受けるが、 そう期待したのではあるが、 実際に使い始めると、想像以上に音自体が違っていた。 筋肉質、力と瞬発力を併せ持ったK2に比べ、K1はあまりにも細い。 力不足はまあ許せる範囲だとして、高域のピュアな響きは美しいものの、 いかんせん線の細さが私には絶望的にも思えた。 誤解の無いように付け加えるが、一般のアンプ達と比べての話ではない。 私がそれまで使ってきた6260と比較しての話で、世の他のアンプと比べれば、K1だって十分図太い音を持っている。 うちのシステムのミッドバス(300Hz~1150Hz)はドライバー+ホーン この部分にコーン型ではなくドライバーを使うと、下手をすれば全体として線の細い音になってしまう。 であるから、この部分のパワーアンプは非常に重要になるわけで、以前6260をこの部分に使っていた理由もそこにある。 この部分、本来はK2を使いたいところではあるが、もはや経済的にも購入することは難しく、 K1を使わざるを得ない(ウーハー部にK2を取られてしまっている)。 結果として、アムKシリーズで組んだうちの新アンプタワーから繰り出される音は、意外と軽く細いものとしてスタートした。 JBL62XXシリーズで組まれたアンプタワーが作り出すおどろおどろしい音を善しとしてしまった耳には、 音の寂しさとしていかんともしがたく、さりとて退路を断った自分としては、アムが少しでもなじんでくれることを願ってのチクルススタートだった。 私のシステムであるならば、マーラーが鳴らなければ意味が無いのは当然なのだが、 私の場合、最終目標がオーケストラであっても、いきなりオーケストラでチューニングしていくことは難しい。 小編成のボーカルから始まって、(よく解らないが)小編成のJAZZ、ポップスを鳴らし、ロックで気分良くなれれば、 オーケストラに突入する。 アムKシリーズに変更し、細いなりにもある程度のバランスが取れてきた上で、マーラーチクルスを始めた。 1、2番と、順調に進み、3番にさしかかった頃大きな変化が起こった。 驚いた。 K1が化けた。 音の細さがまったく感じられなくなった。 これは、私の耳のエージングが進んだせいかもしれない。 ま、そうであっても、私のオーディオである限り、私が満足できればそれはそれでいい。 しかし、 やはり化けたと思わざるを得ない。 ボリュームが大きくなったようにさえ感じられたから。 バランスは、これを機会に合わせ直しとなった。 線の細さはもはやほとんど気にならず、そのピュアな高域の伸びは、まったく惚れ惚れする。 一方、スピーカーシステムの方は、パワーアンプのアムKが6台あるにはあるのだが、30wをIDDWとしているため、 本来の6ウエイは不可能で、5ウエイ+1(ツイーター部はコンデンサー付き)となっている。 一般のように、2405などのツイーターをツイーターとして(変な言い方だな)使う分にはこれでも文句はないだろうが、 私の場合、2441や2420をツイーターとして使っているので、今の使い方ではやはり高域の伸びに不満を感じる。 アンペックスが来て、全体としては非常に満足する状態ではあるものの、早く6ウエイに戻したい気持ちを抑えるのに苦労してる。 不満が皆無であるとは言えないものの、ここまで来れば、マーラー最後期の交響曲を聴く気持ちにもなれる。 次はとうとう「大地の歌」
by johannes30w
| 2007-03-28 03:25
| オーディオと音楽
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