大型2ウエイのウーハーに求められるものを考えて見るのも面白い。
ウーハーという呼び方をしてしまうから、「低音」を考えてしまうから、ついつい低域への伸びばかりに目が行ってしまうが、今まで書いてきたように、少なくとも500Hz以下から使うのだから、ほとんどの(と言うと言いすぎだが)楽音の基音を受け持ってしまう。
当然そのことを、まず考慮すべき。
少し違うが、アルテックやタンノイの38センチ同軸ユニットを思い起こしてみればいい。
604ユニットなんかの場合、古いものはハナから最低域は諦めていたように思える。
当時の録音再生に求められていたのがそれほど最低域重視ではなかったせいもあるのだろうが、ここで使われているウーハー、はっきりと中域(?)重視。エンクロージャーも612であれば、最低域など出るわけが無い。
しかし、それでいいのだ。
ユニットもモノである限り、中域と最低域の両立はどうしたって不可能。
どちらかを取るしかない。
最近の倍音再生ばかり気にしている(?)スピーカー、ホログラフィックで幻のような、しかし耳障りのいい音(しか)出ないスピーカーが気に入らない私は、先ずはしっかりした基音再生ありきと考えてしまう。
タンノイのデュアルコンセントリックもそうだ。
新しいHPDはさておき、モニター15、モニターシルバー、ゴールドなどの古いタイプは最低域への伸びより中域の充実を重要視している。
で、最低域の伸びは、あのコーナーホーンで補足している。
Urei813を思い出してみよう。
ローを欲張っていないアルテックあるいはJBL同軸ユニットで中域をしっかり押さえ、
足りない部分は軽く補足している
理にかなった考え方!
これぞエンジニアの仕事じゃないか!
エンジニアになれない私達はシステムをどう考えればいいのか。
一番確実なのは、2ウエイをやめることだ。
2ウエイは自分で構成するのはあまりにも難しい。
我々シロートが手を付けやすいのは3ウエイである。